SIGについて

SIGとは

SIGとは、PHED事業の基盤となる、テーマ別検討部会:Special Interest Group のことです。SIGは障害のある学生の修学支援や就労移行支援等においてとりわけ重要と考えられるテーマに基づいて立ち上げられます。全国の大学教職員、公的機関、企業等で障害学生支援に携わっている複数のメンバーで構成されています。各SIGでは関連情報を共有し、リソースの開発や活用を通して障害学生支援の向上を図るための活動を行います。

SIGの目的

大学等高等教育機関において、障害学生支援に関わる教職員が、どのような専門的知識・技術を身につけると、質の高い支援を提供できるのかということを中心に議論し、3つの成果創出に向けて活動します。

  • 障害学生支援におけるQI(:Quality Indicator=質の指標)の策定

    障害学生支援のスタンダートとなる知識・技術の基本体系をつくる。
  • コストとリソース確保の検討

    QIを達成するために必要なコスト(予算・機材・人員など)を検討し、必要なリソースを揃えるための手立てを提案する

  • 理解啓発コンテンツの作成

    教職員や一般学生だけでなく、障害学生本人や保護者向けにも、障害学生支援や合理的配慮提供に関する理解啓発のための専門的研修CBIの実施やコンテンツを作成します。また、SIG活動そのものが大学等と社会を連携させるネットワークとなります。

SIGの一覧

  • SIG-ACCESS SIG Accessibility
    アクセシビリティに関する専門部会

    大学等高等教育機関が備えておくべき学修や学生生活にかかわるアクセシビリティに関する知識・技術・行動・態度等について検討し、他SIGメンバーや、全国の障害学生支援関係者のコメントを受けて、アクセシビリティに関するスタンダードを公表する。

  • SIG-AT SIG Assistive Technology
    支援技術に関する専門部会

    大学等高等教育機関が備えておくべき支援機器とその活用に関する知識・技術・行動・態度等について検討し、他SIGメンバーや、全国の障害学生支援関係者のコメントを受けて、支援技術に関するスタンダードを公表する。

  • SIG-CSW SIG Campus Social Work
    キャンパスソーシャルワークに関する専門部会

    大学等高等教育機関が備えておくべき学生支援と地域の福祉的サービス利用、そのコーディネートに関する知識・技術・行動・態度等について検討し、他SIGメンバーや、全国の障害学生支援関係者のコメントを受けて、キャンパスソーシャルワークに関するスタンダードを公表する。

  • SIG-CT SIG Career Transition
    キャリア移行に関する専門部会

    大学等高等教育機関が備えておくべき障害学生の就職活動、インターンシップ、就業後の支援に関する知識・技術・行動・態度等について検討し、他SIGメンバーや、全国の障害学生支援関係者のコメントを受けて、キャリア移行に関するスタンダードを公表する。

  • SIG-DG SIG Documentation & Guidelines
    根拠資料とその取扱いに関する専門部会

    大学等高等教育が備えておくべき、学生の障害に関する根拠資料の収集やアセスメントの実施と、それらの情報の取扱いに関する学内ガイドライン作成に関わる知識・技術・行動・態度等について検討し、他SIGメンバーや全国の障害学生支援関係者のコメントを受けて、スタンダードを公表する。

  • SIG-EP SIG Emergency Preparedness
    災害等の緊急時対応に関する専門部会

    大学等高等教育機関が備えておくべき災害時対策、インシデント(緊急的な事象)への対応策の中で、障害学生への対応・配慮に関する知識・技術・行動・態度等について検討し、他SIGメンバーや、全国の障害学生支援関係者のコメントを受けて、障害学生の災害・インシデント対応に関するスタンダードを公表する。

  • SIG-LAW SIG Law
    法の理解に関する専門部会

    大学等高等教育機関が備えておくべき障害学生支援に関連する法的根拠、特に障害者差別解消法に関する知識・理解、障害学生支援の際に気を付けるべき諸点を記すことにする。他のSIGメンバーや、全国の障害学生支援関係者のコメントを受けて、障害学生支援と法に関するスタンダードを公表する。

  • SIG-TS SIG Technical Standards
    テクニカルスタンダードに関する専門部会

    専門職養成課程を持つ高等教育機関では、入学、在学中、学内外の実習、就職と、連続的にまた一貫して合理的配慮の提供を行う必要がある。テクニカルスタンダードの考え方をもとに、専門職養成課程を持つ各高等教育機関において必要な障害学生支援の知識・技術・行動・態度等について検討し、他SIGメンバーや、全国の障害学生支援関係者のコメントを受けて、障害学生支援スタンダードを公表する。

 

SIG活動の記録

  • SIGミーティングの様子

    各SIGのメンバーは日常的に情報交換を行いながら自立的な活動を行っています。また定期的にオフライン/オンラインのミーティングを開催し、議論を深めてきました。

  • 障害学生支援に関わる専門的なテーマやトピックに絞り、より高度で具体的な内容の研修を実施しています。障害学生支援の実践に必要な知識や技術は非常に多岐の領域にわたります。担当者だけが備えていればいいというものではなく、大学等機関全体でキャパシティを向上させることが大切です。

    また、PHEDにおける専門的研修はCBIは特定領域の支援方法論や障害学生支援の現場で実践的に必要とされる知識や技術を集約し、大学等機関間の情報交換の場となるという目的も兼ねています。全国のグッドプラクティス(=よい実践例)を共有し、日本全体のキャパシティ向上を図る取り組みでもあります。

    CBIの実施形式は、シンポジウム、セミナー形式以外にも、教職員と障害学生が一緒に参加するワークショップや、外部イベントとのコラボレーション企画もあります。また、遠隔会議システムを用いたウェビナー(ウェブ+セミナー)形式を導入し、担当者がそれぞれの現場にいながら研修に参加できる仕組みも整えています。

    シンポジウム
    ウェビナー
  • 2018年度・2019年度の2年間のうち、8つのSIGが合同で参集する「SIG-SUMMIT(サミット)」を計3回開催しました。SIG活動の進捗状況を報告するほか、QIの構築にかかわるディスカッションを行いました。

    <実施内容>

    #1(2018年9月14―15日):メンバーネットワーキング、各SIGの進捗報告および意見交換会、事業年間計画の立案

    #2(2019年5月19日):メンバーネットワーキング、各SIGの活動進捗報告および意見交換会、事業年間計画の立案

    #3(2019年12月15日):メンバーネットワーキング、各SIGのQI進捗報告およびディスカッション、PRの準備

    最終年度には参加校・参加企業・参加団体向けの事業成果報告とヒアリング会として、プログレス・リポートを開催しました。PHED事業全体の成果報告とともに、各SIGのQIドラフト版を解説し、参加者からのコメントを受け、意見交換を行いました。。ここで挙げられたフィードバックや他のSIGとの関連性を考慮して、最終的なQIをまとめ上げました。